喜怒哀楽=「日本の文化を伝えたい」=目でも味わう本格会席料理=自宅で、カフェメニューも - ニッケイ新聞
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「重箱でお寿司を提供する店はありましたが、会席料理を提供する店はなく、ブラジルでは新鮮じゃないかなと思います」――サンパウロ市リベルダーデで30年以上日本食レストランとして親しまれている「喜怒哀楽」が、カフェと合流して弁当や会席重箱の料理宅配サービスを8月8日(土)から開始する予定だ。それに先立ち、会席重箱や弁当の試食会が文協ビル出入り口横にあるカフェ喜怒哀楽の店舗で7月31日に開かれた。
カフェで親しまれていた人気料理の弁当各種に、重箱で会席料理が楽しめる「JUBAKO」1人前~4人前が加わった。銀座の料亭で2年修行をしたシェフの松井覚瑞さん(北海道出身、49歳)の腕が遺憾なく発揮されている。
JUBAKOはお通し・前菜・お造り・煮物・揚げ物・和え物・小鉢・八寸・香の物・水菓子が重箱に入り、風呂敷に包まれ、オーナーである佐藤浩香さん(北海道出身、53歳)の手作りの箸置きと共に届けられる。
「味だけでなく開けた瞬間を目で楽しんで欲しいと思い重箱を採用しました」とSNS宣伝担当の佐藤絢香さん(22、二世)は経緯を説明する。ただ料理を作り届けるのではなく「文化の経験」を届けたいという。「重箱は環境にも優しいのが良い点です」と笑顔で付け加える。重箱は返却してもらうが、風呂敷や箸置きはプレゼントだという。
30年以上の付き合いがある日系魚屋から鮮魚を仕入れており、季節や仕入れ状況によって寿司や刺身用、煮魚用など適した調理法を選ぶ。そのため重箱弁当は3日前の予約が必要。「好みがあれば対応します。例えば刺身よりお寿司が多めがよければ変更できます」と説明し、注文にあわせて材料を仕入れを行うという。
重箱弁当は仕入れや料理変更で値段が変わるため、おおよそ1人前180レアル、2人前250レアル、3人前350レアル、4人前450~500レアル前後。白鶴や弥右衛門など魚にあう辛口の日本酒も共に販売する予定だという。
一方「やさしいお袋の味」ラインナップとなる弁当の値段は45~60レアル。とんかつ定食や焼き魚定食弁当のほか、鮭の味噌焼き定食弁当、ミックスフライ定食弁当、カツサンド、カツカレー、ヴィーガン(菜食主義者)も楽しめるヴィーガンカレーや味噌田楽定食弁当も用意されている。
とんかつ定食にはコパロンボ(背中・肩ロース)という柔らかい部分のみ使うそう、鶏肉や牛肉への変更も可能。カツサンドは柔らかさと食べ応えのバランスが良いロンボ(腰)肉を使用。なす田楽には甘みある日本種の新鮮な茄子を使用し、野菜も市場の日系人から仕入れる。
定食弁当にはそれぞれご飯・汁物・漬物・副菜・酢の物がつく。茄子田楽の単品販売や店で提供している時に「カツサンドと一緒に食べるとさっぱりして美味しい」と評判だったわさびマヨネーズの別売りなども検討している。
注文は(重箱は3日前までに予約)デリバリー・ジレットサイト(http://Deliverydireto.com.br/Kidoairaku/Kidoairaku)またはアンドロイド版スマホアプリもあり、グーグルのPlaystoreで「kidoairaku」と検索するとダウンロードできる。支払いはサイト・アプリ上で登録したクレジットやElo、Discover、Hipercard、Aura、JCB、Hiperで支払い可能。
会席重箱はワッツアップ(11・93400・3937)でも予約受付。こちらの支払いはTransferencia Bancaria。サイトやアプリ、ワッツアップの注文、いずれも配達はもちろんのこと店前での受けとりにも対応しているという。
営業時間は火曜日から土曜日が11時から14時半・18時から21時、日曜日11時から14時半。月曜日が定休日。全員日本語での対応ができるそう。
□大耳小耳□関連コラム
◎
「祖母や母、叔父が始めた店なので閉めたくなかった」―弁当メニューをひとつひとつ丁寧に日本語で説明してくれた喜怒哀楽の絢香さん。元々レストラン移転を検討していたが、コロナ禍でレストランもカフェも休業を余儀なくされ、移転どころではなくなった。検討の結果「一緒にデリバリーを行う」ことになった。覚瑞さんもカフェのシェフだった佐藤勇斗さん(29)に会席料理を教えたいと考えていたそうで「一石二鳥なんです」と絢香さんは微笑む。客に文化を伝えるだけでなく、次世代育成の機会にもなっている。
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August 06, 2020 at 04:22AM
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