B1昇格を目指す茨城ロボッツで『現実』を見据える眞庭城聖「まずプレーオフに行かないと優勝も昇格もない」 - バスケットカウント

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眞庭城聖

茨城ロボッツはここまで19勝15敗、B2東地区3位ながらワイルドカード1位につけている。もっとも、ここまでの戦いぶりをどう評価するかは難しい。各ポジションに戦力が揃って外国籍選手のレベルも高く、B1昇格争いの有力チームと見なされていたが、ケガ人が続出して勝率5割をなかなか超えられなかった。それでもケガ人が次第に復帰し、途中加入のアレクサンダー・ジョーンズが加わったことで歯車が噛み合い、11月下旬から10連勝で2019年を締めて、ここまで成績を上げてきた。チームで唯一全試合出場を続けている眞庭城聖に、チームの現状と今後を聞いた。

「選手同士の絆は崩しちゃダメだと考えていました」

──ここまで予想以上に苦戦が長引きましたが、ようやく抜け出した印象です。眞庭選手はどう受け止めていますか?

前半戦はケガ人に苦しんだことに尽きます。当初やるつもりだったものとは違う戦い方をしなければならず、メンバーも試合ごとに入れ替わるような状況でコンディションも伴わないし、自分たちのリズムが作れませんでした。ただ、勝てないとミーティングの回数も多くなりますが、その雰囲気が悪いとは感じませんでした。チームメートもコーチ陣も自分が言いたいことを抱え込まずに結構はっきり言ったのが良かったと思います。

僕も自分の思うことはコーチにもチームメートにも言いましたし、またプライベートでみんなで食事に行ったりする時間を増やそうだとか、とにかく選手同士の絆は崩しちゃダメだと考えていました。その結果、上との差が開いて「ちょっとダメかも」と考えてしまう人もいたと思うのですが、それでも崩れずに踏ん張って気持ちを繋げられました。

──B2優勝と昇格を目標にしながら勝率5割を切ったりすると、平常心を保つのは簡単ではなかったのでは?

ここまでケガ人が出たら、ある程度は仕方ないと思っていました。出れるメンバーができることを精一杯やって、ケガ人が戻って来るのを待つ。悩みすぎる必要はなく、答えは明確です。僕もこんなに4番ポジションをやるとは思っていなかったですが、こうやって使われるならアジャストしなければいけない。それぞれがみんなそう考えてプレーしていました。

逆に、今は外国籍選手が2人揃っても僕が4番に慣れていることがチームの強みになります。後半戦、誰かがケガしたら他のチームはいきなりその状況に向き合わないといけませんが、僕たちは前半戦で痛いほど苦しんだので、今そうなっても戦力が落ちることなく戦えると思っています。

眞庭城聖

「昇格はそんなに簡単じゃないぞ、と思っている」

──2020年最初のホームゲームで福島ファイヤーボンズに連勝しました。チームとして手応えは感じていますか?

今回の2試合についてはチームとしても個人としても全然納得できていません。もっと簡単に点を取るべきだし、イージーなシュートをやられすぎだし。初戦が30点差の快勝だった分、今日の試合でエナジーが足りないと感じる選手もいました。集中した試合はすごく良い試合ができますが、そういう部分でこのチームはまだまだです。

──このチームがここからプレーオフにたどり着いて、そこで勝ち抜くには何が必要ですか?

もちろん、今のチームにB1に昇格できるポテンシャルはあると思います。でも、そのポテンシャルをどうやって本当の力に変えていくか。僕が大事だと思っているのは、まずは後半戦の戦い方として取りこぼしをしないこと。僕は取りこぼさないチームが強いチームだと思っています。信州、仙台、群馬との試合も残っていますが、そこと戦うまでに僕たちが勝ち続けて、その中でチーム力をどれだけ高められるかです。

──年明け最初の試合では広島ドラゴンフライズに連敗していますが、それよりホームで福島に負けないのが大事だと?

そういうことです。福島を下に見ているわけじゃなく、単純に僕たちが勝率が上で、そこで取りこぼすようでは正直厳しいです。勝率が下のチームにホームで負けたら一気に自信喪失となって、チームには大打撃です。本当は今日みたいに苦戦するのも良くない。集中せずに自分たちの試合ができないようなことはなくさないといけないです。

戦術云々より、コミュニケーションだったり細かい部分が大事になります。オフェンスとディフェンスで細かく言えば本当にいっぱいありますが、一番のカギはコンディションですね。現状で言えば、みんながコンディションをもっと意識して良い状態を保ち、ケガ人は良い状態になって戻って来ることです。そうすれば良い戦いはできるはずです。

眞庭城聖

「賢くプレーし、みんなに頼られる選手になりたい」

──眞庭選手がロボッツに来て4年、BリーグができてからチームはB2に甘んじています。それでも戦力もチームの組織も次第に整ってきて、「いよいよ昇格を狙える」という気持ちが確かなものになりつつあるのでは?

もちろんB1でやりたい気持ちはありますが、ここまでの3シーズンでプレーオフにすら一回も行っていないのは、自分としては情けない気持ちです。だから僕の気持ちは「昇格したい」よりも「プレーオフに行きたい」なんです。まずはそこに行かないと優勝も昇格もないので。

昨シーズンの熊本は、確実に昇格すると言われていましたが、それでもプレーオフでは苦しんで、勝てませんでした。僕は経験していないけど、プレーオフの雰囲気は全く違うんだろうと思います。このチームでは(小林)大祐が経験していますが、僕もその緊張感や空気を経験したいです。

周りにはすごく期待をしてほしいです。そこで僕たちはプレッシャーを感じるのではなく、責任感を持たないといけない。良い選手が集まっていますが、それは自分が出たくても満足できるプレータイムをもらえないとか、チームのために自己犠牲を払わなければいけない部分が出てきます。そこも含めて一つのチームになるのは本当に難しい。僕自身、本当に思っているのは「昇格はそんなに簡単じゃないぞ」ということなんです。

ブースターの方たちには大いに期待してもらって、僕たちはそれに応えようとする気持ちでやっていきます。だからこそ僕たちはストイックに、プロ選手として当たり前のことを毎日やるだけ。そこにプレッシャーとかはあまり感じませんね。

──苦しい前半戦を終えて、チームは前を向くことができました。眞庭選手個人として、後半戦はどうしたいですか?

3番と4番では役割が全然違うんですけど、僕個人としてはもっと賢い選手になりたいです。それこそ前半戦は今までにないぐらいアシストが多いのですが、それに比例してターンオーバーが増えていて、相殺されています。シュートタッチは良くなってきたので、あとは自分のターンオーバーでチームを自滅させないこと。僕がミスをするとチームメートに不安を与えてしまうので、そこは特に意識する。ターンオーバーを1個に抑えて、5アシストを目指したいです。

コーチ陣もすごく細かくデータとか映像を用意してくれるので、あとは僕が賢くやるだけの話です。自分が理想としているプレー像と映像で見る自分にはギャップがすごくあります。でも、それを見て僕は「まだまだ成長できるぞ」と思います。バスケット選手としてもっと成長すべく、そのギャップを埋めるために練習しています。プレーオフの空気も味わったらまた違うだろうし、そこを考えると僕は33歳だけど、まだまだ伸びしろはあるなと勝手に感じてるんです。賢くプレーして、みんなに頼られる選手になっていきたいですね。

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