朝ドラ『エール』後半戦へ! 森七菜19歳が明かす「“ヒロインの妹役”が決まったときは…」 - auone.jp

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 6月末より再放送が続いていた朝ドラ『エール』が、9月14日から遂に本編放送を再開します。今回も豪華な俳優陣が勢揃いする中、回を重ねるごとに注目を集めているのが、ヒロインの妹役・関内梅を演じる森七菜さん(19)。

【画像】透明感がすごい! 森七菜さんの写真を全て見る(23枚)

 そこで、朝ドラ初出演となる森さんに、本作に懸ける思いや“憧れの女優”二階堂ふみさんとの共演、そして撮影の裏側について伺いました。(全2回の1回目/後編に続く

 

◆◆◆

収録再開後、最初のシーンは……

――新型コロナの影響で、『エール』の収録も2ヶ月以上の中断を余儀なくされました。撮影再開後は、現場の雰囲気にも変化はありましたか?

 厳重態勢になっていて、なかなか今までとは気持ちの上でも違うところがあるな、と思っています。お芝居をする中でも、ギリギリまでフェイスガードを付けていなきゃいけないとか、例えば眼鏡を触るという動きもやりにくくなったりしていて。

――撮影の間は、やはり何度も消毒をしたり?

 そうですね。スタッフさんがこまめに消毒液やカバーを持ってきてくださるので、本当にありがたいなと思ってやっています。

――収録再開後、最初の撮影はどなたとのシーンだったんでしょうか。

 最初は窪田(正孝)さんや二階堂さんや……お馴染みのみなさんと一緒になるシーンでした。食事中のシーンの予定だったんですが、それが食後の設定に変わったりもしていたので、なんか寂しいね、とみんなで言いながら。

「もともとはヒロインのオーディションに行ったんです」

――みなさんとも2ヶ月ぶりの再会だったと思いますが、撮影の合間にはどんな会話を?

 「自粛中、何してた?」とか、あとは「何か変わった?」とか……。でも、やっぱりお話しするのは楽しかったですね。寂しいねと言いつつも、爆笑もたくさん起きて。楽しくて、ずっとみんなで笑ってました!

――そもそも今回の梅役は、オーディションで決まったんでしょうか。

 もともとはヒロインのオーディションに行ったんですが、それには受からなくて。ただ、結果的に二階堂さんに決まったと伺って、やっぱり私なんかが太刀打ちできるものじゃないな、とも思ったんですけど。

――ヒロイン役に落ちたときは、「不合格です」といった連絡が来るんですか?

 オーディションに通った人にしか、連絡は来ないんです。だから、今回はダメだったね、と。それでも妹役をいただいたときは……その頃はまだ大分に住んでいて、東京に来ている時はマネージャーさんの家に泊まっていたんです。それで、部屋でずっとお喋りしていたんですよ。

 そしたらマネージャーさんに電話がかかってきて、「はい、ありがとうございます」と言っていたので、何の話だろう……と思っていたら、「朝ドラの妹役決まったよ!」って。夢のようでしたね。一度はもうダメだと思っていたので。

“憧れの女優”二階堂ふみさんとの共演

――これまで、憧れの女優の一人として、常に二階堂さんの名前を挙げていらっしゃいました。今回、実際に共演されてみて、いかがでしたか。

 お会いする前は、どんな方なのかわからなかったんです。他の方だったら、バラエティを観たりして、ああ、ほんわかした感じの方なんだなとか、なんとなく雰囲気がわかったりするんですけど、二階堂さんだけはどうしてもつかめなくて……。

――確かにミステリアスな印象がありますね。

 そうなんです。だからちょっと緊張していたんですけど、実際にお会いしたら、一緒にお昼ご飯を食べてくださったり、「今度、うちに遊びに来てよ」と誘ってくださったり、本当のお姉ちゃんみたいに接してくれて。それでいて、自分の役とか、作品に対しての思いも強い方なので、それを見ていると私の気も引き締められるというか……。憧れの思いもより大きくなりました。

――撮影現場での二階堂さんは、また印象が違いましたか?

 よく監督とお話し合いをされているんですが、そのときに、作品に対して気づいたことを、すごく的確に伝えられていて。その姿を間近で見て、「あ、作品って脚本に沿う中でも、自分が思ったことを口にするだけで、もっと面白くすることができるんだ」と感じたんです。それからは、他にも真似できるところがないかなって探しています。

お姉さんたちに「混ざりたいですよ(笑)」

――二階堂さんを含め、関内家の4人で集まったときは、どんな雰囲気になるんでしょうか。

 休憩中は、薬師丸(ひろ子)さんがたくさん話をしてくださるんですよ。たとえば私に話しかけてくれるときだったら、大分はどんなところなの、何が有名なのって。それをお姉ちゃん2人が聞いてくれてる、みたいな感じです。薬師丸さんが三姉妹それぞれを、深く掘ってくれるんです(笑)。

――森さんが演じられている梅は、三姉妹の中では一番落ち着いていて、どっしりしている役柄だと思いますが、お姉さんたちがはしゃいでいるシーンを見ていて、私も混ざりたいな、と思うことはないですか。

 いやぁ、混ざりたいですよ(笑)。お姉ちゃんたちがフライを取り合うシーンがあったじゃないですか。あれも、実は一緒にやりたいなと思って見てたんですけど、梅の性格的にはなかなかできそうにないですね。

お父さん(光石研)との初共演シーン。現場では……

――梅の登場シーンのなかでは、やはりお父さん(光石研)があの世から帰ってきた、という回が非常に印象的でした。

 ありがとうございます。

――光石さんのビジュアルも強烈でしたね。

 おでこに三角を付けて帰ってくるんですよね。現場でも、光石さんはすごくいじられていて、面白かったです(笑)。「僕もこんなふうに登場するなんて思ってなかったよ」と仰っていて、写真を撮るときも「心霊写真だ、心霊写真だ」って盛り上がってました。

――現場もざわついていたんですね(笑)。その回では、お父さんと梅との距離感が本当に絶妙だな、と思ったんですが、考えてみれば『エール』の中で森さんと光石さんが共演するのは、あのシーンが初めてだったんですよね。

 そうなんです。ちせちゃん(新津ちせ)が演じていた子役時代に、お父さんは亡くなっていたので。ただ、『エール』の撮影に入る前に、8月公開の映画『青くて痛くて脆い』を撮っていて、そこで光石さんとはご一緒させてもらっていたんです。その作品では共演シーンが一番多くて、体当たりする場面もあったんです。だから『エール』では、そのときの密着感みたいなものも、うまく活かせたのかなと思っています。

新津ちせちゃんとの“意外なつながり”

――いま、お話にでてきた新津ちせちゃんですが、森さんがヒロインの声を演じた映画『天気の子』の、新海誠監督の娘さんですよね。今回、ちせちゃんが森さんの子役時代を演じると知ったときは、どう思われましたか。

 びっくりしましたし、鳥肌が立ちましたね。ちせちゃんとは何回か会ったことがあって、一緒に遊んだりもしていたんですよ。そんなときに、タイムリーに同じ役を演じるということになって。ちせちゃんはすごく賢いし、お芝居もたくさん観ていて、すてきな方なので。しかも、顔もちょっと似ているんですよ。

――そっくりでした。特に眼鏡があることで、より似て見えました。

 そうですよね。今回は、現場で会う機会はなかったんですが、きっと思っていることは一緒なんじゃないかな、という気持ちがあったので、安心して演じられました。

――もともとちせちゃんとお会いになったのは、どのような機会に?

 お仕事の忘年会で、ばったり会ったり……。でも、それが大人たちの会だったから、私たちは連れてこられた2人みたいになってしまって(笑)。それで隅っこの方で一緒に遊んだりして、仲良くなりました。

――そんな偶然もあったんですね。ちなみに朝ドラの脚本は、最初から完成しているわけではなく、撮影しながら徐々に渡されていく、というやり方なんでしょうか。

 そうなんです。だから本当の人生みたいに、自分がこれからどうなるかわからないので、「今を一生懸命生きないと」という気持ちになります。だいたいのところは教えてもらえるんですが、途中で変わることもありますし。……だから、偉い人の言うことはそのまま信じないようにしています(笑)。

――リアルタイムで変わっていくのは、朝ドラならではですね。今回、梅役を演じてみて、森さんの周りでも色々と反響があったと思いますが、どう受け止めていらっしゃいますか。

おじいちゃんから届いた手紙

 そうですね……。実は、私のおじいちゃんから手紙が来たんです。「梅ちゃん、すごくいいですよ、涙が出ました」って書いてくれて。でも、宛先が「梅ちゃん」になっていたんです。手紙の中でも「梅ちゃんへ」と書かれていて。もう、おじいちゃんが入り込みすぎちゃって。私は梅じゃないよ、と(笑)。

――良いおじいちゃんですね(笑)。

 しかも、おじいちゃんが書いた歌詞が書いてあって、「この歌を七菜が作曲して」と。いや、作曲するのは裕一の方だよ、梅はどっちかというと作詞をするほうなんだよって思いました(笑)。そんな不思議な手紙だったんですが、やっぱり嬉しかったですね。

 他にも色々な方から梅に対するお言葉をいただけるので、梅が愛されているんだなって思いながら撮影ができています。そうやって、現場でモニターを見ると、ときどき「あ、テレビの中の人がいる」と、自分の顔を見て思ったりもするんですよ(笑)。

撮影=三宅史郎/文藝春秋

後編に続く

「中3の夏休みに声を掛けられて…」森七菜19歳が振り返る“人生を変えたスカウト” へ続く

(「文春オンライン」編集部)

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