目のかゆみを抑える目薬の選び方や、市販薬と処方薬の違いについて解説します - MEDLEY(メドレー)
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もちろん重度の花粉症であれば、必要に応じて目薬、点鼻薬、内服薬などを併用するのが推奨されます。しかし目の症状だけであれば、まずは目薬だけで様子をみるほうが身体への負担も経済的負担も少ないかもしれません。
そこで今回のコラムでは、4月にかけて飛び始めるヒノキ花粉や、来シーズン以降のスギ花粉などを見据えて、目薬を選ぶうえでのポイントを解説していきます。
1. どんな種類の目薬がある?
花粉などで目がかゆくなる状態「アレルギー性結膜炎」で使う目薬は、有効成分から主に以下の3種類に分けられます。
【アレルギー性結膜炎で使う目薬の主な分類】
- ケミカルメディエーター遊離抑制薬
- 抗ヒスタミン薬
- ステロイド薬
これらについて、それぞれ解説します。
ケミカルメディエーター遊離抑制薬
まずはケミカルメディエーター遊離抑制薬です。これはアレルギーを引き起こす物質が放出されるのを抑える薬で、マイルドな効果の薬と言えます。「クロモグリク酸ナトリウム」、「ペミロラストカリウム」、「トラニラスト」などの成分がこれに当てはまり、市販薬にも処方薬にも含まれています。あまり即効性はなく、花粉シーズンの数週間前から継続的に使うことで症状を予防するような使い方が一般的です。
抗ヒスタミン薬
次に抗ヒスタミン薬についてです。このタイプの薬は即効性があり、アレルギー性結膜炎治療の主役と言えます。市販薬では「ケトチフェンフマル酸塩」、「クロルフェニラミンマレイン酸塩」などの成分が当てはまります。これらの成分と、ケミカルメディエーター遊離抑制薬を組み合わせた目薬が市販薬では主流です。医療機関で処方される目薬も抗ヒスタミン薬が主流なので、市販薬での治療も有力な選択肢になります。ただし、2019年11月に発売された処方薬「アレジオン®LX点眼液0.1%(一般名:エピナスチン塩酸塩)」のように、処方薬では市販されていない有効成分が使われていたり、有効成分が濃かったりするものもあります。そのため、市販薬ではあまり効果が感じられない人でも自分に合った薬が見つかったり、通常1日4回ほどの点眼が必要なところ、処方薬「アレジオン®LX点眼液0.1%」では1日2回で済むなど、処方薬ならではのメリットもあります。
ステロイド薬
最後にアレルギー性結膜炎治療の切り札とも言えるステロイド薬についてです。他の2種類の薬よりも効果が強いため、市販されておらず処方箋が必要になります。とてもよく効くことが多いですが、眼の感染症や眼圧の上昇(緑内障)、白内障などの副作用に注意が必要です。目の持病がある人は、処方してもらうときに必ずお医者さんに伝えるようにしてください。
2. コンタクトレンズユーザーも点眼できる?
花粉が飛散する時期は、花粉がコンタクトレンズに付着するなどして花粉症の症状が悪化しますし、メガネが花粉をブロックしてくれる効果もあるので、コンタクトレンズよりもメガネが望ましいです。しかし、どうしてもコンタクトレンズのほうが良いという人もいると思います。そこで問題となるのが、レンズの上から目薬を使えるかどうかです。
防腐剤の吸着に注意が必要
処方箋が必要なもの、市販のものによらず、目薬は菌の繁殖を防ぐために防腐剤(主に塩化ベンザルコニウム)を含むものが主流です。一方で、防腐剤は一部のコンタクトレンズに吸着され、吸着されたままのレンズを使い続けると目にダメージを与える可能性が指摘されています。
どのような場合に防腐剤が吸着されやすいのか、詳細は医師に確認するのがベストです。一般的には、防腐剤を吸着しやすいタイプのソフトコンタクトレンズを週から月単位など長期で使う場合に特に目のダメージが心配されます。ハードコンタクトレンズは防腐剤を吸着しないので問題ないと考えられます。また、ワンデータイプのレンズも毎日交換するため、吸着された防腐剤の量が多くならず心配は少ない、という意見もあります。しかし、防腐剤が含まれる目薬を使う時はいったんソフトコンタクトレンズは外して点眼し、5分以上経ってから再装着するほうが安心と言えると思います。
このように防腐剤入りの目薬は、ソフトコンタクトレンズユーザーにとって少し扱いがやっかいなものになります。ソフトコンタクトレンズユーザーは防腐剤フリーの目薬を選ぶようにする、あるいは医師に相談して目薬を処方してもらうのが無難です。
3. 市販薬と処方薬はどちらがよい?
市販薬と処方薬で明らかな優劣はありません。市販薬のほうが簡単に入手できますし、複数の有効成分を配合してくれている、などのメリットがあります。一方で処方薬は、症状の程度やライフスタイルなどに応じてお医者さんが適した目薬を選んでくれますし、市販薬よりも強力な薬を使うという選択肢もあります。
一般的には、軽い症状の人は市販薬で様子をみる、症状が強い人やアレルギー性結膜炎以外の病気もありうると思う人は医療機関を受診する、という姿勢でよいと考えられます。費用面を考慮しても、症状が強い場合には目薬を頻繁に使うことになりがちで、保険適用で目薬を処方してもらうほうが割安になることもあります。逆に目薬をあまり使わない場合には、初診料や処方箋料を負担に感じやすいかもしれません。
どの診療科を受診すればいいか
アレルギー性結膜炎治療のための目薬を処方してもらうには、クリニックなどの中小規模医療機関の眼科が適しています。総合病院など大規模医療機関の眼科は待ち時間が長くなりがちで、アレルギー性結膜炎を診てもらうにはお勧めできません。また、目薬と一緒に内服薬や点鼻薬も処方してもらいたい場合には、内科や耳鼻科を受診すると対応してくれることがあります。ただし、内科や耳鼻科で目薬を処方すること、あるいは眼科で内服薬や点鼻薬を処方することは医療機関によってできないこともあります。まとめて処方してくれるのかどうか、医療機関を初めて受診する場合にはあらかじめ電話で確認しておくと安心です。
まとめ
ここまで、花粉症などによる目のかゆみに対する目薬について解説しました。アレルギー性結膜炎全般についてはこちらを、花粉症全般についてはこちらの内容も読んで頂くと、それぞれについて理解がより深まると思います。
今回のコラムがアレルギー性結膜炎と戦う人の役に立てれば幸いです。
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。
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March 24, 2020 at 08:01AM
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